FXトレードで儲ける

FXの税金はいくら?計算方法と仕組みを説明

FXの税金はいくら?計算方法と仕組みを説明

これからFXトレードを始める初心者にとっては、儲けた金額のうちいくら自分のものになるのか気になりませんか?

原則、FXトレードによる利益は税金の支払いが必要です。

FXは株式とは異なり、特定口座がないためご自身で利益と損失を計算して確定申告しなければなりません。

確定申告の説明

確定申告とは一年間の税金を申告して税務署に納めることを言う。

FXを含めた所得税の場合、申告期間は毎年2月16日から3月15日(ただし、年により土日の関係で若干ずれることがある)。

会社員の場合には源泉徴収と年末調整によって務めている会社が本人にかわって手続きを行うため、原則として確定申告は必要ないが、特定の条件にあてはまる方は確定申告が必要。

しかし、意外とFXの税金の計算は簡単です。

FXトレードで利益がでたとしても、知識があいまいなら「税金を全部または一部しか払わない」「本来支払う必要のない税金を支払ってしまう」こともあるでしょう。
税金を一部でも支払っていないなら、ペナルティーとして追加で高額な加算税を支払うことになります。

儲けるためにはトレードスキルも大事ですが税金の知識も大事です。

良い機会なのでこの記事を繰り返し読んで理解しておきましょう。
できるだけ分かりやすく説明したいと思います。

なお、当ページでは国内業者のFX口座について説明しており、海外FX口座は対象としていません。

FXの税金についての全体像・手順

まず始めに、FXに関する税金の仕組み・全体像を説明します。

この流れを知っておけばこれから説明する各項目が大変理解しやすくなります。

FXで支払う税金の全体像・手順
FXで支払う税金の全体像・手順

図を簡単に説明すると、「【手順1】FXトレードの利益額」から「【手順2】トレードにかかった経費」と「【手順3】税務署に申告済みの過去3年間の損失額」を差し引き、「【手順4】計算した金額が一定額以上など特定の条件に当てはまる」方は、その金額に20.315%をかけた金額が支払う税金ということです。

FXは全10種類ある所得のうち「雑所得」の「申告分離課税」という位置づけです。

所得の説明

所得とは、「利益」から「その利益を得るためにかかった費用(必要経費)」を差し引いたもの。所得税は「利益」ではなく「所得」にかかる。

※当記事では「所得」と「利益」の意味を使い分けています。間違いやすいのでご注意下さい。

所得税の納税義務者は誰?

納税義務者は、日本に住所があるか1年以上居所がある人(居住者)。国籍や年齢は関係ない。

以下より、【手順1】から【手順5】まで順番に説明します。

【手順1】年間の損益(「為替損益」「確定したスワップポイント」)を合計する

FXの一年間(1月1日から12月31日)の損益合計を計算します。
利益だけでなく損失も含めて計算します。

年度末や年明けにFX会社から「年間取引報告書」などの一年間の損益が発行されるので、それを見れば簡単に分かります。

複数のFX口座でトレードしていた場合には、すべての口座の損益を合計します。

手順1はこれで終わりです。

ここからは補足です(読み飛ばしても大丈夫です)。

「年間取引報告書」などの計算対象となっている項目を説明します。

それはこの2つ。

年間取引報告書の内容
  • 利益が確定した為替損益(レート変動による利益または損失のこと)
  • 利益が確定したスワップポイント

以下に説明します。

利益が確定した為替損益

「利益が確定した為替損益」とは、通貨を持っている場合はその通貨を売って得た利益(または損失)のことです。
売り通貨の場合は、その通貨を買って得た利益(または損失)のことです。

利益や損失が確定していない未決済の「含み益」「含み損」は税金計算の対象とならないため、「年間取引報告書」等には含まれていません。

利益が確定したスワップポイント

「利益が確定したスワップポイント」とは、FX口座から引き出せるスワップポイントとも言えます。

なお、スワップポイントが確定するパターンは3つ。

スワップポイントが確定する3パターン
  1. 通貨決済時に為替損益(レート変動による損益)と同時に確定する
  2. まだ通貨を決済していないが、スワップポイントは好きなタイミングで確定できる
  3. まだ通貨を決済していないが、スワップポイントは毎日自動的に確定される

このスワップポイントが確定する3パターンはFX会社によって異なります。

スワップポイント確定時期を利用した節税

節税テクニックとして、スワップポイントの確定時期を翌年にずらすことで当年度の損益をコントロールする方法がある。

それにはスワップポイントを好きなタイミングで確定できるFX会社の口座を利用。

デメリットは損益計算が大変になってしまい、計算を間違うとスワップポイントの利益を単に翌年以降に繰り越しただけで節税にならない。

【手順2】パソコンやスマホ代、売買手数料、電気代、書籍代などの必要経費を引く

必要経費とは、FXトレードに必要な物やサービスのことです。

知っておきたい経費に関する4つのポイントを説明します。

1.一般的に必要経費と認められるもの

具体的には以下のようなものが該当します。

必要経費として認めれる可能性があるもの
  • パソコン本体
  • スマホ
  • 売買手数料
  • 電気代
  • 書籍代
  • 新聞代
  • セミナー代、セミナー参加ための交通費
  • FXに関する情報商材
  • 銀行からFX口座への振込手数料
  • パソコン部品購入代
  • インターネット回線料

ただし、上記のどれが必要経費にあたるかはトレード環境などによって異なるため、個別の判断が必要です。

例えば、スマホでトレードしないならスマホ代は経費になりません。
FXとは関係ない書籍代やセミナー代も当然経費になりません。

税務署に問い合わせるなどしてしっかり確認しましょう。

2.FXトレードに必要なものがプライベートと併用なら使用割合分だけ経費になる

FX専用で使用するものなら全額が経費になりますが、プライベードと併用で使用するものは、FXで使用した割合分のみが経費になります。

どのような割合で必要経費とするかは法律的に定めがありません。
そのため、ご自身でどのくらいの割合をFXに使用したと決めることができます。

ただし、税務署から問い合わせがあったときに納得してもらえるような合理的な基準が必要です。

合理的な基準例

【使用した時間からインターネット回線料を判断する】
インターネット回線料は月に5,000円。
月150時間のインターネット使用のうち、FXトレードで月90時間使用。

(計算式)5000円×90時間÷150時間=3,000円
⇒5,000円のうち90時間分である3,000円を必要経費とする。

FXトレードの利益と同様に、必要経費も1月1日から12月31日までの一年間で計算します。

3.耐用年数1年以上、10万円以上の備品は減価償却が必要なことも

耐用年数1年以上、10万円以上の備品(パソコンなど)は、購入した年にすべて必要経費にできないことがあります。

その場合には、複数年に分けて経費とします(この仕組みを減価償却といいます)。

何年に分けて経費とするかは、その物によって決められているためご自身で判断することはできません。

わからなければ国税庁のホームページでの確認や税務署に問い合わせてみましょう。

4.必要経費であるという証明(領収書など)が必要

経費とするものは、FXトレードに必要であるという証明(領収書など)が必要です。

FXトレードで実際に必要なものだったとしても、証明できなければ経費にはできません。

税務署から確認されることがあるため、領収書などの証明書は整理して必ず保管しておくようにしましょう。

【手順3】(繰越控除)税務署に申告している過去3年間の損失を差し引く

過去3年間の損失額を税務署に申告していれば、その損失分は利益から差し引けます。
そのため、税金の支払い対象となる利益を減らすことができ節税につながります。

この仕組みを「繰越控除」といいます。

繰越控除の説明

繰越控除とは、損失を税務署に申告すると翌年以降の最長3年間、各年の利益から申告した損失分を差し引くことができる仕組み。

繰越控除ができる場合には、その金額分を忘れずにFXの利益から差し引きましょう。

繰越控除の例

去年はFXで50万円の損失となったため繰越控除を目的に確定申告をしていました。
今年のFXの利益は130万円で必要経費10万円を差し引くと、所得は120万円。
去年の50万円の損失を今年の所得120万円から差し引くことができ、今年は70万円の所得。

繰越控除をしなかった場合と比べて50万円分を節税できました。

なお、申告した翌年以降に利益や損失がない、またはFXを全くトレードしなかったとしても、今後繰越控除を利用するためには毎年確定申告をする必要があります。

【手順4】FXの税金の支払いが必要か判断する

ここまでで、「FXの利益」から「必要経費」と「過去に申告した損失分」を差し引きました。

ただ、すべての方が税金支払いが必要と言うわけではありません。

もともと確定申告する必要がない方の場合であっても、以下の要件にあてはまれば確定申告が必要となります。

FXの所得額によって確定申告が必要になる方

※他の要件のため元々確定申告が必要な方は、以下のFXの所得額にかかわらず確定申告が必要。
※理解しやすいように給与所得や事業所得、公的年金等以外の他の所得がFXのみしかない場合で記載。他の所得もあればそれらも合計した金額で判断する。

  • 給与所得があるサラリーマンで、FXの所得が年間20万円を超える
    ※給与所得:「収入金額(源泉徴収前の収入金額、いわゆる年収)-給与所得控除額」
  • 事業所得がある自営業者・フリーランスで、FXの所得が年間38万円を超える
  • 専業主婦・学生などの扶養家族で、FXの所得が年間38万円を超える
  • 公的年金等の収入が400万円以下で、FXの所得が20万円を超える

【手順5】所得に20.315%(20%+0.315%)をかけて支払う税額を計算する

【20.315%の内訳】
15%(所得税)+5%(住民税)+0.315%(復興特別所得税)=20.315%

FXからの年間所得が100万円、1,000万円、1億円と異なっていても、税率は一律20.315%となっています

復興特別所得税の説明

平成23年12月2日に発生した東日本大震災の復興のための財源として徴収される。
税額は本来の所得税額に2.1%をかけた金額。
徴収される期間は平成25年1月1日から令和19年12月31日まで。

FX以外の他の金融商品と損益を合算(通算)できることがある

ここまではわかりやすいように、FXのみトレードしている場合での計算方法に絞って説明しました。

実際のFXの損益は、同じ雑所得のグループである他の一部の金融商品と合算して一年間の損益を計算します。

これを損益通算といいます。

FXと損益通算できる金融商品
  • くりっく365
  • 店頭FX取引
  • くりっく株365
  • CFD(差金決済取引)
  • 日経225mini
  • 日経平均先物
  • 商品先物

また、「繰越控除(翌年以降最長3年間損失を繰り越せる仕組み)」も同様に利用できます。

上場株式とFX

上場株式とFXは所得の種類が異なる位置づけのため「損益通算」「繰越控除」はできません。
また、株式投資信託・ETF(上場投資信託)・REIT(上場不動産投資信託)・上場外国株とも同様にできません。

おわりに

わかりやすく丁寧に説明したつもりですが難しかったでしょうか。

簡単にまとめると、FXの税金は所得(利益から経費を差し引いたもの)に20.315%をかけた金額ということです。

もしFXの税金の申告について悩んだら、税務署や税理士にしっかりと相談しましょう。

FX会社の口座開設時やトレード条件達成のキャンペーンでもらえるキャッシュバック・商品等にかかる税金はおおよそ「一時所得」にあたり、通常のFXトレードによる利益とは計算方法が異なります。

税金についてわかりやすく説明してあるため、おすすめの本です。

株式取引の証券口座はどれを選べばいい?

SBIネオモバイル証券
1株から取引したい方におすすめ。少額なら取引コストも安い。
日常で貯まったTポイントも使える。

SBI証券
本気で取引したい方におすすめ。格安の手数料。
取扱商品が多く投資情報も豊富。ネット証券業界大手。

※当ブログは情報提供を目的に運営しております。投資やトレードを勧誘するものではありません。投資・トレードは必ず自己の責任と判断のもとお願い致します。当ブログを参考に不利益が生じた場合でも補償はできません。