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株の取引で損失!確定申告して節税しよう(損益通算と繰越控除)

株の取引で損失!確定申告して節税しよう(損益通算と繰越控除)

株の損失時は税金を納める必要がないため、確定申告する必要はありません。

しかし、確定申告することで税金を安く済ませることができます。

説明の前に、まずは株式にかかる税金について整理します。

株式投資による利益には、3つの税金がかかります。

株式投資で生じる3つの税金
  1. 株式売買にて発生した利益にかかる税金
  2. 配当金にかかる税金
  3. 株主優待にかかる税金

それぞれを区別して考えると理解しやすくなります。

株式の損失は、「1.株式売買にて発生した利益にかかる税金」に関連します。

株式の損失時の確定申告は、株式による損失と「他の株式口座の利益」や「特定の金融商品の利益」と相殺することで、利益を減らして節税できるという仕組みです。

「上場株式投資である」という条件のもと、できるだけ分かりやすく記載しましたので、しっかり学んで節税しましょう。

損失時に確定申告する3つのメリット

一般的には確定申告は税金を納めるというイメージですが、節税をするという側面もあります。

株の損失時の確定申告も節税が目的になります。

損失を確定申告する3つのメリットは次のようになります。

損失時に確定申告する3つのメリット
  • 複数口座間の損益を合計して損失を相殺できる(損益通算)
  • 特定の金融商品と損益を相殺できる(損益通算)
  • 損失を最大3年間繰り越して節税ができる(繰越控除)

まとめると、「損益通算」と「繰越控除」ができる点が大きなメリットです。

順番に説明していきます。

複数口座間の損益を合計して損失を相殺できる(損益通算)

2つ以上の証券口座で株取引をしていた場合、運用している複数の口座間を合計した金額から税金を計算できます。

例えば、SBI証券、楽天証券、マネックス証券の3つで株取引をしていたとします。

年間でSBI証券は利益100万円、楽天証券は損失50万円、マネックス証券は利益100万円だった場合、確定申告しないなら「SBI証券100万円」と「マネックス証券100万円」にそれぞれ課税されます(合計200万円が課税対象)。

一方で確定申告をした場合には、「楽天証券の損失50万円」を差し引くことができるようになり、3つの証券会社を合計した150万円分にしか課税されません。

複数口座の例

※SBI証券は利益100万円、楽天証券は損失50万円、マネックス証券は利益100万円とする。

  • 「確定申告しない」ケース
    ⇒課税額200万円(利益のみ合計する)
  • 「確定申告する」ケース
    ⇒課税額150万円(利益と損失を合計する)

この仕組みを「損益通算」と言います。

株式の税率は20.315%です。

利益が50万円違えば、支払う税金は約10万円も減らせます。

確定申告するかしないかで、支払う税金にかなり大きな差がありますね。

なお上場株式と未公開株を合計した損益通算はできないのでご注意。

特定の金融商品と損益を相殺できる(損益通算)

同じ上場株式同士の損益だけでなく、同じ種類に属する他の金融商品とも損益を合算できます。

例えば、SBI証券で上場株式の売却益100万円、株式投資信託の売却損50万円、REIT(リート)の売却益100万円だった場合、確定申告をしなければ「上場株式の売却益100万円」と「REIT(リート)の売却益100万円」にそれぞれ課税されます(合計200万円が課税対象)。

一方で確定申告をした場合には、上場株式、株式投資信託、REIT(リート)は同じ種類に属するので損益の合算ができ、課税される金額は150万円で済みます。

これも損益通算の一つです。

上場株式と損益通算できるもの
  • 株式投資信託
  • ETF(上場投資信託)
  • REIT(上場不動産投資信託)
  • 上場外国株
  • 債権
  • 公社債投資信託
  • 配当金
  • 分配金

ちなみに、FXや先物取引は上場株式と異なる種類のため、損益通算はできません。

「上場株式の複数の口座間の損益合計」と「同じグループの金融商品の損益合計」は、同時に利用できます。

損失を最大3年間繰り越して節税ができる(繰越控除)

確定申告をすることで損失を最大3年間繰り越して節税ができます。

例えば、一年間の損益を合計すると損失100万円だったとします。

確定申告をしなければ、その100万円はただの損失で終わってしまい、次年度200万円の利益がでても、当然200万円が課税対象です。

一方で確定申告をした場合、次年度に200万円の利益がでても、前年度の損失100万円を差し引いて最終的な利益を計算できます。

つまり、100万円の課税対象で済みます。

このように年をまたいで損失を繰り越す仕組みを「繰越控除」と言います。

実際は、最初に損益通算して、それでも残った損失を繰越控除するという流れになります。

お得な繰越控除ですが、注意点が2つ。

繰越控除の注意点
  • 繰り越せる期間は最大3年間
  • 毎年確定申告が必要

持ち越せる損失は最大3年間なので、令和1年の損失は令和4年まで持ち越せます。

それまでに利益と相殺できなかった損失は、古い年のものから切り捨てとなります。

また、損失を繰り越している期間は、たとえ株取引の利益がなかった、または株取引自体をしなかったとしても、確定申告が必要です。

なお、未公開株は繰越控除ができません。

【まとめ】損益通算と繰越控除で得!株取引は損失でも確定申告しよう

株式の損失時は確定申告しなくてもかまいませんが、あえて確定申告することで節税ができるというメリットを説明しました。

損失時に確定申告する3つのメリット
  • 複数口座間の損益を合計して損失を相殺できる(損益通算)
  • 特定の金融商品と損益を相殺できる(損益通算)
  • 損失を最大3年間繰り越して節税ができる(繰越控除)

確定申告する手間はかかりますが、しっかり節税していきましょう。

なお、税金についてもっと知りたい方には、以下の本をおすすめします。

イラストが多いためとてもわかりやすく、私もよく参考にしています。

※個人の所得等の状況によっては上記内容と異なる場合もあります。
※正確な内容については税務署等にお問い合わせをお願い致します。

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