株主優待とは、株式を保有している会社からもらえる優待品のこと。
株主優待を目的とした投資は、いつでも非常に人気があります。
ただ、この株主優待、実は課税対象のため税金がかかります。
基本的に確定申告は必要ですが、確定申告をするかどうかは個人まかせの部分も大きいような気がします。
説明の前に、まずは株式にかかる税金について整理します。
株式投資には3つの税金がかかります。
- 株式売買にて発生した利益にかかる税金
- 配当金にかかる税金
- 株主優待にかかる税金
それぞれを区別して考えると理解しやすくなります。
株式の株主優待は、「3.株主優待にかかる税金」にあたります。
株式の売却益や配当金と違って、株主優待の税金はほとんど話題にもなりませんが、その理由も含めてしっかりと理解しておきましょう。
株主優待は課税対象で実は税金がかかる
実は株主優待は課税対象であり、基本的には確定申告が必要です。
株主優待の内容が現金ではなくても、優待品は利益にあたるので、所得税や住民税がかかります。
所得の種類は雑所得。
総合課税のため、給与所得や事業所得などの特定の所得と利益を合計して、その合計した所得額によって税率が変わる累進課税です。
「A会社の株主優待は〇〇でお得だ」などの内容に関する情報は、SNSやYouTubeなどでたくさん見つけられますが、逆に「株主優待は課税対象だ」という情報はほとんど見ません。
そのため、課税されることを知らずに取引している方もいるでしょう。
課税対象は株主優待の種類は関係ない
会社から送られる株主優待の内容は様々ですが、クオカードなどの金券だけが課税対象というわけではありません。
- 金券(クオカード、自社商品券など)
- ポイント
- 割引券
- 自社商品
- カタログギフト
金券の場合はその額面金額、自社商品の場合はその商品を購入するのに必要な金額が課税対象になるようです。
株主優待の種類にかかわらず、利益となるものは課税対象になります。
株主優待が利益にあたるかの判断は難しく確定申告は個人の判断次第?
株主優待は課税対象ですが、申告漏れの指摘はあまり厳しくないような印象です。
その理由を考えてみました。
- 株主優待を現金に換算して課税額を決めることが困難なものがある
- 株主優待の価値は個人ごとに異なるため、利益だとは断定しにくい
- 株式を持っていれば自動的にもらうため、拒否することができない
- 株式を購入してもらうための呼び水的な意味合いがある
株主優待は一方的に送られ、自身には必要がないカレンダーや、男性が女性用化粧品をもらってしまうこともあります。
自身に必要がない(価値がない)もので税金を取られても非常に困りますね。
そのような面を配慮して、どの優待が利益(課税対象)にあたるかはある程度個人に任されているように思えます。
会社員などの給与所得者の場合は、確定申告をしなくてよい場合もある
株主優待は原則課税対象ですが、確定申告が必要ない方もいます。
会社で年末調整を済ませており、給与所得以外の所得の合計が年間20万円以下の方は、確定申告する必要はありません。
ただし、所得税は必要なくても、住民税の支払いは必要です。
株主優待の利益だけで年間20万円を超える方は少ないと思いますが、会社員として給料をもらいながら、別に副業している方は注意が必要です。
FX、先物取引、作家等以外の人が受ける原稿料、印税、講演料などは雑所得のため、株主優待と合算して計算されます。
なお、専業主婦などの所得がない方も、株主優待を含めた所得段階で年間38万円以下なら基礎控除が38万円あるため、確定申告する必要はありません。
【まとめ】株主優待は課税対象だが、確定申告は個人まかせの部分もある
株主優待は課税対象ということと、補足として、私が考える確定申告する判断基準についても記載しました。
- 株主優待には税金がかかる
- 課税対象は株主優待の種類には関係ない
- 株主優待の確定申告は投資家まかせの部分が大きい?(私の推測)
- 会社員などの給与所得者の場合は、確定申告をしなくてよい場合もある
あいまいな部分も多いですが、税金の知識を整理しておきましょう!
なお、税金についてもっと知りたい方には、以下の本をおすすめします。
イラストが多いためとてもわかりやすく、私もよく参考にしています。
※個人の所得等の状況によっては上記内容と異なる場合もあります。
※正確な内容については税務署等にお問い合わせをお願い致します。
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